【幻の純正カラー】Mercedes-Benz 280S × Arabian Grey(124)
- katsufuki
- 12月11日
- 読了時間: 4分
更新日:12月12日
― 言葉にならない“深み”を、あなたは見たことがありますか?
静かに佇むだけで、足を止めさせる色。

こんにちは、GRIP!名古屋の大ちゃんです。
静かにそこにあるだけなのに、なぜか視線がふっと吸い寄せられてしまう色があります。
派手さで押してくるわけでもない。沈んだ印象でもない。
その“あいだ”にある、不思議な存在感。
そのひとつが、Arabian Grey(アラビアングレー)/カラーコード124。
1960年代のメルセデスがほんの限られた期間だけ纏った、“幻”と呼ばれる純正グレー。
あなたは、この色を実車で見たことがありますか?

💥 出会った瞬間に“ガーン”と心を撃ち抜かれた。
グレーという色の良さはわかっていたつもりでした。
それでも、この色を目にした瞬間、胸の奥が“ガーン”と響くような衝撃がありました。
Arabian Grey は、名前の印象とはまったく違う表情を見せる色。ひとことで言い切れない“余韻”があります。
当時のメルセデスは、地域の光や空気に合わせてグレーのニュアンスを細かく調整していた時代でした。
124はその中でも、“光で表情が変わる色”として知られています。
🌫 光で正体が変わる、不思議なグレー。
明るい場所では、淡いグレーの中にほんのりとグリーンの影が潜む。
日陰では、古いフィルム写真のように空気をやわらかくまとい、
静けさのある落ち着いた表情に変わる。
光の角度がわずかに変わるだけで、「これ、本当に同じ色?」と思うほどニュアンスが揺らぐ。
クラシックメルセデス特有の曲線と重なると、ただのグレーではなく、“時代の空気まで閉じ込めた色”として立ち上がる。
そして一度見ると、なぜか記憶に残り続ける——そんな不思議な力を持っています。
🕰 60〜70年代前半だけが持っていた“曇りの質感”。
Arabian Grey の深さを作っているのは、当時の塗料だからこそ生まれた“曇り”のニュアンス。現行の Alpine Grey と並べれば、その差は一目瞭然。
Alpine Grey 956 → シャープで都会的
Arabian Grey 124 → 温度を感じるクラシックな柔らかさ
✨ 当時の塗装が持っていた“息づくような表情”。
当時の塗装には、どこか“手のぬくもり”を感じる仕上がりが残っていました。
いまの塗装は、精密で均整が取れていて、それはそれで美しい。でも、60〜70年代の色には、光の中でふっと息づくような、“生きているような表情”があります。
そのわずかなゆらぎが、心に残る魅力だと思っています。

🔍 写真では半分も伝わらない“本当の色”。
Arabian Grey の厄介で、そして美しいところは、その魅力が写真にほとんど写らないこと。
グレーでも白でも緑でもなく、言葉にできない層が重なったような複雑さ。
旧車の塗装は強く反射せず、光をやわらかく散らすため、カメラでは情報が抜けてしまうのです。
だからこそ、実物の前に立った瞬間の「え…こんなに深い色だった?」という感覚が、Arabian Grey の真価。
一度見ると、少しだけ息を飲むはずです。
🛠 カラーコード124。そのまま残る価値。
今回の車両は、当時の純正カラー124を“そのまま”保った貴重な一台。
60年近く前に生まれた色が、再塗装されることなく現代まで残っている。
メルセデスの純正カラーは、工場や時期によってわずかなニュアンスが異なるため、オリジナル保持個体は年々減り続けています。
当時だけの質感、当時だけの空気、当時だけの深み。
“残っている”という事実そのものが価値であり、それは再現では手に入らないものです。

📩 心が少しでも動いたなら。
Arabian Grey の魅力は、写真では絶対に伝わりません。
静かな佇まいに潜む奥行き。光で変わる正体。60年代だけが作れたニュアンス。
そのすべては、実車の前に立った瞬間に初めてわかります。
もし心が少しでも揺れたなら、どうぞ GRIP!へ。
“幻の純正グレー” の本当の美しさをお見せします。
🪄 次回予告
Arabian Grey の次に紹介するのは、またひとつ“時代が生んだ特別な純正カラー”。
どうぞお楽しみに。






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