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その部品、本当に“正解”ですか?

  • katsufuki
  • 3 日前
  • 読了時間: 3分

更新日:2 日前

クラシック・メルセデスの部品事情、現場のリアル


左が純正品 右がリプロ品
左が純正品 右がリプロ品

クラシックカーの話をしていると、だいたい途中で聞かれます。

「部品って、ちゃんと手に入るんですか?」って。

正直に言うと、手に入るものもあるし、簡単じゃないものもある。

これが一番近い答えです。


メルセデスは、意外と今でも純正部品を出しています。

消耗品とか、ゴム類とか、いわゆるメンテナンス系の部品ですね。

「え、まだ出るんだ」って言われることも多い。

ただ、それがいつまでかは、誰にも分かりません。

在庫があるうちは、普通に取れる。でも、無くなったらそれで終わり。次はありません。

だから、うちでは今はまだ壊れていなくても、「これ、そのうち必要になるな」と感じた部品は、早めに押さえておくことがあります。

壊れてから探すと、だいたい遅いんですよ。


一方で、どうしても純正が出ない部品も増えてきました。

内装のトリムとか、専用のスイッチとか、その車にしか使われていない細かい部品。

新品はもう欠品。中古を探すしかない。しかも状態のいいものは、世界中で取り合い。

価格が高騰するのも、まあ自然です。

そうなると、次に出てくるのがリプロ品です。

当時の部品をもとに、あとから作られた部品。最近のものは、正直よくできています。

精度も、見た目も。

ただ、ここで話は単純じゃなくなります。


左が純正品 右がリプロ品
左が純正品 右がリプロ品

「純正OEM」とか「優良品」とか、そう書かれて売られているものが、たくさんある。

でも実際には、その純正部品を作っていなかったメーカーのものがOEMとして出回っているケースもあります。

たとえば、純正はボッシュしか作っていない部品なのに、ヘラー製のものが純正OEMとか、優良品として売られている。

これ、珍しい話じゃありません。

もちろん、ちゃんとしたリプロ品もあります。

でも同時に、精度が甘いもの、素材が違うもの、耐久性に不安が残るものも混ざっています。


左が純正品 右がリプロ品
左が純正品 右がリプロ品


見た目や表記だけでは、正直、分かりません。

だからGRIP!では、「純正かリプロか」で決めません。

この部品はどこに使われるのか。見える場所なのか。触ったときの質感はどうか。

この車を、どう乗るつもりなのか。

そういうところを見ながら、一台ずつ判断しています。


見えないところは実用性を優先することもあるし、見えるところは、簡単に妥協しません。

純正部品が残っているなら、できるだけ、そのまま使いたい。

ありのままの姿に戻したい。それは、今も変わっていません。


中には、日本に一つ、あるいは世界で最後の1つの部品を、「たまたま」じゃなく、「そのうち必要になる」と思って前から確保してきたものもあります。

今すぐ使う予定はなくても、無くなってからじゃ遅いから。

クラシックカーって、正解が一つじゃないんです。

どう乗るか。どこまでオリジナルを残したいか。どれくらい付き合うか。

部品を見る前に、その車と、オーナーを見る。

GRIP!は、ずっとそのやり方です。


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